2017年6月3日土曜日

今度のサンクスビーフはこんなやつのお肉です!1477の思い出アルバム

 
 


昨日も今日も雨です、明日も雨の予報です。
昨日6月2日に続いて、
井上牧場のある北海道滝上町は、
今日も気温は10℃未満。
 
 

昨日なんて最低気温は2度だったとのこと。
6月だというのに…これじゃ冬ですね!




今週末まで滝上町は「芝ざくらまつり」期間で、
日本一とも言われる芝ざくらを見に多くの観光客さんが来てくださりますが、


これじゃ
「北海道まじで寒い」
「滝上って寒すぎ」
とか言われちゃうな~ははは~。


5~6月だって30℃近くなる暖かい(もはや暑い…)日だって
あるんですよ~
ホントにお天気の読みにくい地域です…。

何着ればいいんだ…。





私たちにとっては寒い日でも、
牛たちは相変わらずの様子。

数日ぶりに放牧場の中におじゃまして
牛さんたちの顔を見てきました~。






今年の放牧メンバーもやっぱり人が好きなようで、
私たちを見つけると遠くからでも走ってきてくれます。

なんというおもてなし(…?)精神。




(おもてなし(…?)しすぎて
後ろからどつかれたりします…)



何はともあれみんな元気そうで何よりです^^




さてさて、本日お伝えしたいのは先日出発したオス牛くんのこと。



「サンクスビーフ」は、
井上牧場生まれのブラウンスイス(たまにガンジー)オス牛くんのお肉。
年に5~6頭分、その一部の部位だけを販売しています。
サンクスビーフの販売をその都度楽しみに頂いている方が

年々増えているようで、
大変ありがたいです^^




当記事の冒頭の写真に写る彼は、
5月15日にサンクスビーフを頂戴するべく、
井上牧場を出発しています。




 
いつもお世話になっている
には、
既に彼のお肉をお届けしておりますので、
お近くの方はぜひご利用ください^^
 
 
 
(個人さま向けの小分け販売は今のところ未定ですが、
部位そのまま丸ごとブロックでよろしければ
ご用意できるところもあるので
ご相談くださいね~!)
 
 
 
※ベガーズハーレムさん&オステリアブラさんの簡単なお店紹介については
当ブログの過去記事でもどうぞ~
 
 
 
 
 
 
 
 
というわけで、
先日ここを出発した彼のことについて
少しお伝えしたいと思います!
 
 
 
もしも次に井上牧場のサンクスビーフを口にすることがあったら、
こいつのお肉である可能性大です。
「こんな牛くんのお肉なのね~」
と少し思い出してもらえたらとてもうれしいです^^
 
 
 
まず彼の外見から。
一番の彼の特長はね、
牛さんなら必ず付いている、
付いていなくてはならないアレが付いていないことです…。
 
 
 
 

生まれた牛さんにはもれなく、
「個体識別番号」が与えられます。
まさに我々で言う“マイナンバー”です。
そしてその個体識別番号を記載した“耳標”を装着しなくちゃいけません。

 
 
 
でもこの方には付いていません…。
いつのまになくしてしまったご様子…。
 


 
井上牧場では生後1~3日の間に耳標を打っているようです。
つまりは赤ちゃんの内に、
両耳にバチンと穴を開けられます。
痛いよねえ、、、
せっかく生まれてきたと思ったら
お母さん牛と離れ離れにさせられるわ
耳にバチバチ穴開けられるわ…
この世の中って散々よねえ…。
 
 
 
(そういえば人間でも国や民族によっては赤ちゃんや子どもの内にピアスをする風習もありますね!)
 
 
 

というわけで今でこそすっきりした耳の彼にも、
仔牛のときは耳標がついていました。
両耳の中心にはピアス(耳標)ホールがばっちり残っています。

 
 

(↑この写真は1年くらい前のもの。既に耳標ないな~。)



耳標は必ず付いてなくちゃダメなので、
出発前に改めて付けられたみたいです。

トラックに乗せられるわ
耳に穴開けられるわで、
またしてもさんざんな気持ちだったかもしれません!

 
 


耳にこそ番号はありませんが、
彼の番号は1388514776


2014年11月生まれ。
生後30か月、ブラウンスイスのオス牛です。

 
 
 
 
 
 

お母さんを調べたところ、
まだ現役で井上牧場で暮らしています!

1181のこの方です~。
 
 

 

1477君とはあんまり似てないかな~。



井上牧場の牛さん、
特にオス牛くんたちは人がとても好き。

この方もそう。


 
鼻をくっつけてニオイを嗅ぎにきたり、
服をべろべろしにきたりと、
かなり近くまで距離を詰めてきます。



「お肉になるべく出発する」
ということは、
基本的にはオス牛くんたちの中での最年長ということになります。
なので、出発予定の牛くんはだいたいリーダー的存在です。
体も大きいしね!

 
 
 
 
これまた私の勝手な想像ですが、
他の牛さん頭突きしたりするのはあんまり見なかったし、
厳しいリーダーではなかったかなーと思います。
他の牛たちにはあんまり興味ない、自由な感じの牛くん。
 
 
 
次世代の1493とか1505、1506あたりが
結構強気でヤンチャに見えるから、
サブリーダーの層が厚かったかも。
1477が抜けた後はリーダー争いとかグループ分裂とかあるかもね…!
 
 
 
超内輪かつ人間目線かつ個人的な解釈で恐縮です笑
メンバーが変わった後の牛群模様も、
私にとってはちょっとした楽しみだったりします。
 

 
 お迎えが来る前の日には、
出発する牛さんを放牧場から牛舎へと戻しておかなくてはなりません。
お迎えのトラックがいつきても、
スムーズに乗り込めるようにしたいから。




一般的には放牧場から1頭の牛を捕獲、誘導するのって
かなり大変な作業です。




ところが彼、1477は
放牧場に現れた代表ヒデさんに自らついていって、
すんなり牛舎まで戻ったそう。




 (1頭だけ別の場所に閉じ込められて1晩過ごすってなったときには、鳴いて怒ってたみたいですが…!)




牛肉の味は、
育った環境、食物、季節によって変わります。
さらには、その牛さんによっても変わります。
 
 
 

愛嬌のある、人なつっこいオス牛くんは
いったいどんなお肉になっているのかしら。




食事の豊かさは、
「おいしさ」だけが基準ではないですよね~。
そのものを知ることで
「おいしく」感じられることも当然あると思います。
だから私が彼らのお肉を口にするとき、
絶対に、100%、おいしいです。
正直、食べる前からおいしいって決まっています。

 

自分の手やよく知っている人の手によって。
それからよく知っている環境で。
育ったり、採ったり、獲ったりした食材を口にすることができる暮らしって、
すごく価値があると思っているのです。

 
 



この文章を書く私次女は、
今のところ牧場作業には関わっていません。
(ほんのたま~に

ちょこ~っとお手伝いになることをすることもありますが…!)



あくまで生産者ではなく消費者に近い視点で、
身内の運営する牧場であるという色眼鏡を当然着用しつつ、
牧場のことや牛たちのことをお伝えしたいな~と思ってます。




そうすることで、
「広い場所で自由に暮らし、
穀物を食べない、
肥育されていない、
赤身いっぱいの健康なグラスフェッドビーフ」



という価値、評価に加えて、


「どんな場所でどんな風に育ったどんな顔した牛さんのものなのかわかるお肉」
にできたらと思っている次第。






「顔を見たら食べられない」
「かわいそう!」
なんて言わないで、
この顔を思い出して、
美味しく食べてもらえることを祈ってます^^